日本は破綻しちゃう?借金1,000兆円ってどういうこと?
いつ頃からでしょうか、「日本の借金は1,000兆円」と言われ始めたのは。
1,000兆円って、まったく実感ができない気の遠くなる額ですよね。
かつてアルゼンチンが破綻したとか、ギリシャが危ないとか、イタリアだってそろそろとか…。
経済的に厳しい国の破綻の噂を聞くと、本当に心配になってきます。
そこで、日本の経済状況について、さまざまな本を読んだりして調べ始めたんですが、少しずつわかってくると、最初にイメージしたこととはずいぶんと違ってきたんですよ。
もちろん、不勉強なのは自覚しているので、間違った認識をしているかもしれません。
日本が世界一の借金大国と言われておきながら、世界第三位の経済大国とも言われています。
アフリカやアジア諸国だけではなく、世界第二位の経済大国である中国へも、いまだにお金を出していると言うではありませんか。
世界一の借金大国がやっていることとは思えません。
これだけみても、日本がすぐに破綻しそうな感じはしませんよね。
これはいったいどうなっているの?と疑問に思ったのが勉強するきっかけでした。
そもそも「日本の借金」って、なんだろう?
新聞や経済関係の本を読むと、日本の借金は、国民ひとりあたり約800万円と書かれてあります。
生まれたばかりの赤ちゃんも、年金暮らしをしているお年寄りも、すべて含めてと言うことらしいですね。
「自分たちの借金を次の世代に残してはいけない」という表現もよく耳にします。
私は、毎月のカードの支払いぐらいしか借金はないんですが、いきなり「800万円を払え」と言われたら、生活は成り立たず、大変なことになりますよ。
ひるがえって今の日本を見てみましょう。
3年後には、東京オリンピックを開催することになっています。
東京都と組織委員会が、火花を散らしていますが、東京都にも日本国にも、オリンピックを開催する経済力はあると思います。
借金まみれでその日暮らしであれば、オリンピックどころではありません。
そこで、「日本の借金」を改めて調べてみると、これは「日本政府の負債」であることがわかりました。
つまり、日本国民が借金しているんじゃなくて、政府が借金をしているみたいなんです。
誰に? 何を隠そう、私たち日本国民にです。
そうなんです、表現が曖昧だったために、誤解されているんですよ。
「日本の借金」と言われると、あたかも私たち国民が債務者であるかのように勝手に勘違いしてしまいますが、実は私たち国民は債権者になります。
これが分かったときにはビックリしました。
日本は「世界一の借金大国」って言われているけど本当?
しかしながら、日本政府が、1,000兆円を超える膨大な負債を抱えていると言うことは、どうも事実みたいですね(現在は1,100兆円に膨らんでいるとのこと)。
ちなみに、日本のGDPが約500兆円です。
このGDPの2倍以上も借金がある国は、現在の世界では日本ぐらいなんだそうです(かつて、イギリスも2倍あったそうです)。
そう考えると、「世界一の借金大国」という表現は、あながち間違っているとは言えません。
しかしです。
借金だけではなく、資産だって、もちろんあるはずですよね。
これも調べてみました。
現在の日本の資産は、約680兆円もあるそうですよ。
これはダントツで世界第一位!
これ、驚きませんか?
あまり、メディアで流れる情報ではないですが、これを知ることで、本当の借金、すなわち純債務がわかると思います。
貸借対照表(バランスシート)を知っている人は、右の負債が1,100兆円、左の資産が680兆円というと、理解しやすいかもしれませんね。
つまり、純債務は420兆円ほどになっちゃいます。これなら、GDPの範囲に収まるでしょう。
ただ、資産となると、道路・橋・建物など、そうそう換金できない有形資産が多いだろうと思い、中身をチェックしてみたら、換金しやすい金融資産が370~380兆円ほども存在することがわかりました。
どうしても、借金と聞くと、借金のことだけ意識しちゃいますが、考えてみるに、借金を返済するときって、持っているものの中で、売れるものは何でも売りますよね。
それが金融資産と考えれば、「日本の借金1,000兆円」という表現は、バランスシートの右側を指しているだけであって、正しいとは言えないんじゃないでしょうか。
政府の子会社と言われる日銀が加わると日本の借金の状況が違ってくる
黒田総裁がトップに立つ日銀は、政府の子会社と言われています。
だとしたら、もし日本政府のバランスシートを作るとすれば、当然、連結決算の対象になりますよね。
この前提で計算すると、日本政府の純負債は約100兆円程度にしかならないそうです。
1,000兆円ではなく、100兆円です!
なんだか狐につままれたような感じになりませんか?
嘘でしょ、と言われそうですが、理屈では問題ないと思います。
問題があるとすれば、なぜ多くのメディアで「日本の借金は1,000兆円」と喧伝されるのか、なぜバランスシートの左側にある資産の部が語られないのか、なぜ日銀を連結決算の対象にしないのか、と言うことです。
まだまだわからないことが山積みなのですが、少なくとも、日本の台所事情が火の車で、破綻寸前の状態ではまったくないことが理解できました。
ホッとした、と言った方がいいかもしれません。
違和感を感じたことは、時間と手間をかけて調べたいものですね。
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